2013.03.31 Sunday

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2013.03.31 Sunday

Blog 終了


七十二侯・雷乃発声・かみなりすなわちこえをはっす。3月も本日にて終了。花曇りの一日でしたが昨日の朝、庭の桜がようようその硬い蕾を脱ぎ捨て薄墨の衣を天に向かって短い花の命を全開にしています。数日の満開はほぼ一年を耐え抜いた全身全霊の謳歌。渾身の盛りを過ぎてまた同じ一年を繰り返す桜は春に咲いてこそ。出会いや別れのシンボル、ひとつが終わりひとつが始まります。

さて、2009年5月に書きはじめましたこのブログも3年11か月となり、この記事で299件目となりました。学校の国語の成績は万年「3」のワタシは文章を書くのも読むのも得意ではありませんが、当初の週末一回記事アップから気付けばひと月に11の記事を書いたこともあったり。不得意といえども続けると「ガンバッテ書いたなぁ」と褒めてあげたい気分。

書き始めて一年ほどは日本に住む何処の誰かワカラナイひとりの徒然は、当然人の眼に触れることなくネットの闇の中を漂って。「こんなブログ誰も読まへんわ」と何度も書くコトをやめる思いもありましたが、なんとか綴り続けて。その間、多くの方々に出会ってこのブログを伝えて読んで頂き、いつの間にか日本全国、果ては海外からも訪問頂き、昨年は約40000アクセスにまで。

ホントにありがとうございました!こんなに嬉しいコトはありません!!!と、ここで突然ではありますが、この記事をもってこのブログは閉じようと思います。明日から新年度・4月が始まります。何かの区切りです。個人的にも様々な終わりと始まりが今日と明日なので、準備してきたことですが。その中身については新たなブログにその場所を移してまたスタートを切りたいと思っています。そのブログは・・・

「応需細工所」(おうじゅさいくしょ)http://j-eauge.jugem.jp/

と、特別何かが変わるわけではありませんし、そんなに簡単に変われるものでもなく。が、新しいブログでもすったもんだをパワーアップして徒然を書き綴ってまいりますので引き続きよろしくお願いいたします。

2013.03.28 Thursday

Pocket Merry-Go-Round 4


七十二侯・桜始開・さくらはじめてひらく。春雨が花粉を流してくれて少し楽な今日ですが、どうにも微妙に寒さが続いてます。猫の額の我が家の庭の桜も桃色の裾を覗かせて咲いて良いのか悪いのか悩んでおりますよ。植樹後10年経って初めて咲いた昨年より今年はたくさん蕾が膨らんでます。

「メリー・・・」はテーブル中央の支えになる柱と天蓋の骨組みを制作しました。これらのパーツは懐中時計を模したケース(後々制作予定)に納まる構造にしなければならないので、柱はちょうどカメラのズームレンズのように二段沈胴式に。天蓋骨組みはその柱の上面にロー付固定しますので下がりきった時に馬や馬車を避けるように6分割してあります。

この時点で想定しているケース内寸に一応納まっていますが、円錐状に張る天幕も載せたいわけです。しかも重力でたわんだ感じも表現したい、けど、そのパーツがたとえ折りたたみ式に制作・組み立てたとしても馬・馬車に干渉するしケース内寸に納まらない・・・。二律背反です。何か新たにアイデアを絞らねば。

カタチの解っているモノをツクルのは作業だけなので速いのですが、今回はココに結構な装飾というかテクスチャーを施さなければ豪華な感じにならないので、その作業が大変かなぁ、と、すでに半泣き・・・まぁ、楽しんでやりましょ。

さて、もう来月は4月、新年度が始まります。教室にもニューフェイスさんが来週からいらっしゃいます。こちらも楽しみです、どんなのツクってくれるかしら。何か新しいコトを始めてみるには良いタイミング、若干ですが教室に空きがございますので是非トライしてみては。お申し込みはホームページ・コンタクトより。
2013.03.26 Tuesday

販売開始


もうあちこちで咲いている桜、大阪は花冷え、いや咲いてないので花冷えとは言わないかもですが、蕾は今にもはち切れんばかり。微妙に寒い・・・から仕事場にこもりっきりでも何となく着るモノに困る。とりあえず鼻汁だけは薬が効いてて楽チンですが。

さて、今回はお知らせです。Bodaiju expoにて販売しておりました「原型シリーズ」をネット通販でお求めいただけるようになりました。

ハンドメイド、手作り作品の通販・販売サイト「minne」(ミンネ)
http://minne.com/eauge

残念ながらすべての作品をアップ出来ておりませんが、Bodaiju expoにてお求めになれなかった方は是非こちらでどうぞ!!!

今年もぼちぼちではありますが「原型シリーズ」のラインアップを増やしてまいりますね。
2013.03.20 Wednesday

Pocket Merry-Go-Round 3


春分・雀始巣・すずめはじめてすくう。鳥も猫も春がそこまで来たのを知ってかいつもより大きな鳴き声です。鳥の鳴き声は大きかろうが気にならないですが、猫のはちょっと怖い・・・。20年近く猫を飼っていたので春にどうなるか知ってはいるものの昼夜かまわずの野良猫の春の鳴き声は泣いてる小さな子供の声そっくりで、いささか不気味。でも近所の大きなモクレンも一気に花開きとてもゴージャスで我が家の桜も芽が膨らんできましたよ、楽しみだねぇ。

「Pocket・・・」は現在順調に進行中。3頭の馬をホントのメリーゴーランド同様上下に動かすためにギミックをば。ターンテーブルの中に馬の真ん中に付いたバーを上下させる超扁平のカムを(写真右上)。上下するパーツのクリアランスを取る為その内側にスペーサーを挿入(右下)。スペーサーとターンテーブルの摩擦軽減の為にスペーサー木端部をテーパー状に成形して接地面を減らしてあります。

テーブルの歯車は96歯。ココに冠歯車を接してその向きを直角に変えてリューズを回してテーブルを回転させてかつ、馬が上下する予定。ケース本体に対するリューズ中心部の付く位置を考慮してテーブル自体が上下するギミックも必要なのですが、この時テーブルと扁平カムがセットで移動しつつカムだけは回転しないようにロックする機構も入れないといけない・・・。机上では解決してますが、コレばっかりはいつもツクってみないとワカリマセンのよぉ。

春はいろんな人との新たな出会いが満載。思いもしなかった出会いは殊更ビックリ、いろいろ繋がっていくコトがタノシイ、ワタシなのでした。

2013.03.13 Wednesday

Pocket Merry-Go-Round 2


七十二侯・桃始笑・ももはじめてさく。桃どころか桜が辛抱たまらず開いてしまいそうな気温。かと思えば明日はまた真冬気温だそうで。先日の鳥羽では強風で植林された杉林からもうもうと花粉が飛散・・・その日から鼻紙が友達で、とうとう花粉症か?あぁ、悲惨。

さてさて、「メリーゴーランド」、主役が揃いました。馬3頭立てに馬車とかご?ふたつ、完成です。馬のたてがみもシルバーだったのですが、磨り出しのカタチが気に入らなかったので思い切ってヤスリで落とし込んで、ゴールドで成形し直しました。ついでに尻尾も同様に。

と、イキアタリバッタリでコンビが良いというコトで、馬車もかごもコンビにしたのでございます、マルっ!ココまでは作業。いよいよココから脳ミソフル回転が始まります。もういきなり悩んでます、厚み方向の圧縮をどうするか。回転させますのでそのギミックと馬を上下させるパーツ、主役が沈んだ位置で回転しないようにケースの蓋を開けた時にメリーゴーランド本体を少し上昇させる機構、天蓋のポップアップと収納ギミック・・・いっぺんに解決すべき個所がやってきております。が、今回は複雑にはならないか、と。サイズは一般的な懐中時計より一回り大きいぐらいの感じで納めたい。

今は雨のおかげ(?)か鼻汁は止まっておりますが、作業中も食事中もタラーリタラーリ・・・早くも鼻のかみ過ぎでトナカイ状態&目もシバシバ・・・うぅぅっ。

2013.03.11 Monday

ジュエリーハンドリング@ミキモト真珠島


西日が少しずつ長く、そしてまろやかな光に変わりつつあるのを感じた夕刻。すぐそこの春を毎年待ちわびるのと同時に思いを寄せることだけでもあらたにする季節になって二年。力強く前に進める何かがはっきりと見えるようになることを祈りつつ、ワタシにできる何かも考えたい。

荒れる春場所も大阪で始まりましたが、昨日の関西はまさに汗ばむ初夏と凍える真冬がいっぺんにやってきた、そんな日でした。昼夜気温差25度以上・・・わずか1.2時間で10度も気温が変わるとホントにカラダがついていかないエラい日に三重県鳥羽に。養殖真珠の発祥地「ミキモト真珠島」でジュエリーハンドリングセミナーに参加してきました。

ジュエリーハンドリングとはアンティークや制作年の古いジュエリーをケース越しに鑑賞するのではなく、実際に手に取って子細に見ることのできる貴重な体験です。手に取ってルーペで見られる滅多に出来ないこのセミナーにお誘いいただいたので勇んで参加です。

真珠と言えば誰しもが知っている「ミキモトパール」ですが、鳥羽にその博物館がありワタシは初めて行くことになったのですが、常設してあるジュエリーを見て回れるほどの時間の余裕は無く、準備してくださった特別な部屋へ早速移動。そこで5点のアンティークジュエリーと7.80年前に製作された「ミキモト製」のジュエリー5点の計10点をハンドリングさせて頂くことに。

まずは館長さん直々にそれぞれのジュエリーについて説明を受け、いざ拝見!19世紀20世紀に制作されたヨーロッパのアンティークは古いカットのダイヤが散りばめられたティアラやアールヌーヴォーのペンダント、当時のミキモトの職人の手による日本人らしい仕事の入ったリングや帯留、どれもこれもツクった職人の魂や粋を感じるモノばかり。戦前戦中の貴金属の供出によって金やプラチナを使えなかった時代に「サンプラチナ」というニッケルが主成分の金属を使用してのジュエリーもあり、厳しい時代背景においても職人の矜持はしっかり仕事に反映されていることも伝わってきました。

それぞれ資料用に写真撮影も許されましたが勿論公開は出来ませんが、ミキモト真珠島のHPで紹介されて常設されている「矢車」が写真の作品。1937年のパリ万博に出品されたものだそうですが、これ「12変化」するのです。

それなりのサイズのある一見ブローチかペンダント、と思いきや各部がネジ留されており、それらをはずして各々のパーツにセットするとペンダント・ブローチ・リング・帯留・髪飾り・・・と様々なアイテムに変化する、なんともワタシ好みな作品です。この時代にこの発想とは頭が下がります。

色々とディスカッションも行われて意見交換がありましたが、その中でワタシが気になったのは「どこまで手を入れるのか」ということ。洋の東西の違いもあるでしょうが、日本の職人によるソレは徹底的に細かく磨けるトコロはとことん磨く、真っ直ぐのモノはあくまで真っ直ぐ、ピシっパシっ、な訳です。ところがヨーロッパのソレはルーペで覗けば鋸は挽きっ放し、石のセットも結構雑だったり。なのに雰囲気勝ちしてるというか作品として不成立の要素は見当たらない仕事。

ココで思う「オーバーワーク」。現在のジュエリーにおいてもフランスやイタリアの商品は日本人のツクリ手として見るワタシにも「まだ手が入るよなぁ」って思うコトがしばしば。簡単に片づけてしまえば「好み」によるトコロも大きいのだと思うが、かっちり作られたモノは勿論丁寧な仕事として成立し、他方、多少作り込みが甘いように見えるソレには「味がある」と言えば乱暴で簡易な物言いだけど実際その通りソレが成立している。

時代や人種やデザインなど様々な要素もあるし、それぞれの主観もあるので完全な分析はありえないが皆が欧米のソレを「ツクリが甘い」などと思いもしない作品の在り方に納得し、それどころか「どちらかといえばアンティークのこちらが好み」と。となると、普段仕事で出来るだけ手を入れて仕上げようとしているコトが一体どうなのか?という自分の仕事の否定になりそうで。

ジュエリーに限らずメーカーもユーザーもそういう仕事が日本人の仕事だと思っているのか思わされているのか・・・あー、もう何が言いたいのか解らなくなってきましたが、単純に綺麗だなぁとか素敵だなぁって思えるモノが自分が思っている完全に近い内容の仕事とは必ずしもイコールでは無い何か別の要素が実は大きなポイントであるコトを発見できたひとつでした。

たくさんのモノを見て触れて咀嚼し、また他人のフィルターも通した見かたにも耳を傾けまた自分の中にフィードバックさせる作業はとても重要で必要なコトだとも教えられた今回のセミナーは有意義な時間でした。

と鳥羽に行くなら「お伊勢さん」と思って参詣しましたが、今年は式年遷宮、しかも天気が良くて暖かい週末、ごった返しの内宮で結局柏手も打つことができず退散。かと思ったら突然の悪天候にかいた汗が体温をどんどん奪い寒い寒い。ついでに寄ろうだなんて思っているのが罰当たり・・・かも。
2013.03.08 Friday

東京ベイ


花粉症の方はお気の毒ではございますが、4月中旬の春爛漫の気温の大阪です。と言っても黄砂にPM2.5でしたっけ、花粉症でないワタシでもなんだかくしゃみや鼻をかむ回数が増えてますね、ヒキコモリなのに・・・。さて、何故か(ってコトは無いけど)ヤボヨウが多くて今日も午前中を潰してしまい、フルタイムで机に向かうことができません。が、良いペースで新作進んでますよぉ。

ところで、ワタシ大阪在住35年でまるっきり関西人ですが、時々関東の人間に間違われるコトがあります。実は(ってコトも無いのですが)生まれは東京、今はスカイツリーで有名な墨田区生まれ、ちゃきちゃきの下町・江戸っ子なのです、てやんでぃ。でも、まぁ、生まれた街などもう記憶には無い訳ですが、ふと自分のルーツ、ってなものを思う時がありますね、どんな街で生まれたんだろう、って。

東京にはプライベートでも仕事でもたまに行くことがありますが、そのたびに思うコトが。ソレは凝縮感が強いコト。道幅やビルの間隔、電車や高架道路の交差の近さが大阪のソレと比べると80%な感じ。ソレに加えてアップダウンが結構あるから余計に増幅されてる感じも。電車に乗ってると窓から見える景色が「ビル→民家→高台の法面→立体交差→公園→民家→並走する電車→ビル」と、まぁ忙しいコト。なのに突然緑の多い公園が現れたりするから混み込みの首都「東京」はワタシには不思議に映ります。

先日のグランプリには道具も満載だった為、車で現地入りしたのですがその際、生まれて初めて「首都高」を走った訳ですが・・・右から左から次々に分岐合流、速度は速いし、高架のそばの建物はこちらに倒れんばかりの近寄り過ぎだし、標識なんて見てもちんぷんかんぷん、なんのこっちゃでオッカナイ。


でも、夜の東京ベイは魅力的。幕張の超高層ホテルの窓から見えるその景色は大阪や神戸とは違いました。何が違うか?圧倒的にその距離だと。とにかく西から東まで見えているトコロ全部ビル明かりだというコト。よくもまぁこんなにひしめき合ってるなと、夜の首都にレンズを向けると解りましたね。それだけのヒトがいるってコトもスゴイ。


まるで映画「AKIRA」の中のイメージまんまの東京。ネオ・サイバーシティでも浮かぶ月は同じだと変に納得するも、こんな景色も滅多に見られないなぁ、と、完全におのぼりさん、な、ワタシなのでありました。
2013.03.05 Tuesday

Pocket Merry-Go-Round 1


二十四節季「啓蟄」、七十二侯「蟄虫啓戸」(ちっちゅう こを ひらく)冬蘢りの虫が出て来る、という時候。ワタシの子供の頃は「おけら」を良く見かけたものですが、このところはお会いしませんこと久しく。三寒四温が始まって体調管理もムヅカシイこの頃、気温のせいなのか微熱なのか妙に暑いような・・・風邪はひきたくないのですが。まっ、でも春はもうすぐそこまできちょります。

さぁて、さて、お待ちどう様でした!ようやく新作に取り掛かりましたよ!今回は・・・

[Pocket Merry-Go-Round]

懐中時計の蓋を開けると中からメリーゴーランドが飛び出して、リューズを回すとくるくる動きだし・・・。馬もゆったり上下に動いてくれると尚よろし、っていうぐらい漠然としたまま発進です。承知の方も多いかと思いますが、またまた、「あーでもない、こーでもない」と壁にぶち当たり壊れながら(ワタシが)の制作過程を迎えますので、どうぞ長ーい目で見守ってくださいましたらコレサイワイ、でございます。あっ、なんか音が鳴ってくれるともひとつタノシイよね、ってハードルは上げないの!
とりあえず馬2頭がなんとなく完成。次は馬車をツクリましょか。

あれっ、「ギザジュウ」やんか!
2013.03.03 Sunday

戦の後の春うらら。


帰宅後、ようやく身の周りの後片付けが済んで明日より普段が復活です。で、グランプリでメダルを取る取らないは関係無しに、せっかく関東まで出かけるのだからと小旅行を企てておりまして、静岡・伊豆半島ぐるりをしてまいりました。大きな目的は「癒し&勉強」の二本立て。今回のお宿は東伊豆のちょうど真ん中あたり「伊豆高原」の民宿「港屋旅館」。徒歩10秒で海、というこのお宿のメインは何と言っても「刺身」。美味くないはずがありません。では、今回は写真たっぷりお届けしたいと思います。

トップは時化(しけ)の月道。この日の波の強く寄せては返していた太平洋の良く晴れた漆黒に満月の照らす一本の光の道、波の音しか聞こえない黒い鏡にきらきらと。何も考えなくてよい時間を過ごせました。

で、初めて食すは「ほうぼう」の刺身。見た目通り淡白な白身ではあるがその食感はもちもちとして美味。鯛にまぐろにはまち・甘海老。実はコレでお腹イッパイでしたが。

かさごの唐揚げ。頭から尻尾まで丸っぽ頂けます。美味し。

翌朝もほうぼうの味噌汁、さすが漁港。

小さな港です、小型の漁船が数隻停泊するのみ。朝早くからダイバーが潜っていました。

と、海原を見渡すお風呂で癒されて。いざ、お勉強タイムは車で10分ほどの「野坂オートマタ美術館」と「アンティークジュエリーミュージアム」に。「野坂・・・」は、ずっと行ってみたかった美術館、念願かないまして。作品に不可欠なギミックとストーリーを感じに訪れたのですが想像以上の収穫、しかも写真撮影のお許しも頂き良き資料となりました。残念ながらココにはアップできませんが。幾つかの作品については実演もあり、その動きは勿論、作品に秘められた物語もしっかりと伝わってくる素敵な時間でした。「アンティーク・・・」では館長さん直々に説明してくださり、ココでも撮影の許可を頂きまして、有難いコトでございます。作品制作に生かすべく。

と、美術館をあとにして、この時期の伊豆半島と言えば「河津桜」。今冬の寒さで開花が遅れているだろうと立ち寄りを予定していなかったのですが、たまたま前日のニュースで咲いている様子が放送されて次の目的地の途中でもあり急遽行ってみると・・・、7分咲き程で菜の花も合わせて青空に映えてましたね。しかし観光客の多さにいささか気持ちも萎えぎみ。道中の渋滞の意味がココで初めて理解でき。

ソメイヨシノより色の濃いのが特徴。

この日はぽっかぽかの陽気より少し暑め、うっすら汗も。さすが季節が早いのだと実感。

河津を後にして目指すは最終目的地「石廊崎」。伊豆半島最南端に位置する石廊崎灯台と石室神社を目指し半島海沿いをどんどん南下。やはり僻地です。ワタシ、先端フェチでもあるようで各地の「端っこ」へ行きます、はい。で、向かえてくれるは野良ちゃん、老猫らしくおっとりしているもその目つきは凄みたっぷり、ボスって感じ。

駐車場にクルマを停めて岬の小坂を20分登っていきます、が、コレがなかなかキツい。

5分ほどでコレぐらい標高が上がり、ワタシも息が上がり・・・。

その後10分程でようやく灯台が見えて。
その先どんどん道は細く、風は強くなり。

入り組んだ断崖絶壁には波がぶち当たっては崩れ。

いよいよ突端も突端が視界に入り。

角を曲がると下り階段が現れ、その先に「石室神社」が・・・。

何とまぁ、崖っぷちにへばり付いて、とりあえずもうオッカナイ。どうやって作ったのか!?

神社を背にして進むと突端が。

まだまだ進み、もう、暴風になって帽子をカバンにしまって、カメラもしっかりホールドしないと奈落に落ちていきそう・・・あぁ、オッカナイ。

と、お宮が。手を合わせて、「お邪魔します」。

地球のアールをわずかに感じつつ。

どこから降りたのか釣り人がっ!コワイコワイ。遠くに風力発電の風車が見えてるけど、実はもうソレどころでなかったりしてます。

岩に砕け渦を巻く様はすぐに葛飾北斎を思い。深い青と砕けた白波とが絶妙のグラデーション。やはり自然の為すことには勝てないのかと。

と、海の幸に舌鼓を打ちまくり穏やかな陽気に木々の春を愛で、それでも圧倒的に静かでゆったり流れる時間に身を任せた旅路と相成り、伊豆の山越え国道を歩みの鈍い観光バスの渋滞に完全に巻き込まれ、縦断に3時間もかかって富士の見える街をあとに・・・。
2013.03.01 Friday

戦い終えて。


三月・弥生。各地で春一番が吹き、今日は暖かい雨、季節は確実に春に向かっているようです。天気予報で今冬の厳しさを言い当てたヒトはいたのでしょうか?とんでもなくドカ雪に見舞われたところも時間はまだかかっても溶けて芽吹く、気持ちの良い季節がやってきますよ。

2013年も早くも六分の一が過ぎたにもかかわらず、今年の記事は何と5つだけ。あんまりの寒さに閉じ籠っていた・・・訳ではありません。為すべきコトがあったのです。ソレが終了した今は、やりきった感満載なワタシなのであります。

「第27回技能グランプリ」に出場してまいりました。結果を先ずは・・・棒にも箸にも引っかからず・・・降参、参りました・・・。本来なら、というか気持ちは金メダルの写真がバーンっとトップを飾る記事・・・の予定でしたが、そんなに甘くはございませんね。この「技能グランプリ」は厚生労働省・中央職業能力開発協会・全国技能士会連合会の主催によって2年に一度開催される各職業の技能を競う大会でして、今年は千葉県メッセ幕張で28職種のいわゆる「職人」500人あまりが集結して日頃の鍛錬を余すことなくその技量を発揮したのです。その職種は洋裁・和裁・石工・大工にはじまり旋盤工・配管工・家具・・・とその中に貴金属装身具制作があります。手わざを生業とする仕事が減っている為、競技職種も減っているそう。そういった中でチャレンジできる土俵が残っているのは大変にありがたいことなのです。

各職種は2,3か月前にその課題が発表されて競技日に同一課題の精度や仕上がりを競うのですが、ワタシは昨年11月頃には競技参加を決意して挑んだのです、結果はともあれ。そもそもはお世話になるこのグランプリで金メダルを取った先輩職人さんに誘われての参加でしたが、当初はこの大会の存在こそ勿論知ってはいたものの、まさか自分が出るなんてそれこそ遠い存在であった訳です。

1月頃まではまずまず練習に何ぞ全く身が入らず、課題の一部パーツをツクっては全完成を見ない日々でしたが、2月前には金メダルが欲しいっ!と残された時間を出来るだけその練習に使い、先輩方々に批評して頂く、またツクルの繰り返しの日々を過ごし、いざ行かん!!!普段仕事で使う道具の多くをクルマに積み込んで事前準備も含めて前々日の幕張乗り込みしたのです。

貴金属制作の選手はワタシを含め全21人。その中には関西の見知った職人さんや知らなきゃモグリと言われる程の職人さん、またはそのお弟子さんが出場。幕張入りの初日は顔合わせや食事などでワタシの気持ちは最高潮に緊張し、わずか1時間の睡眠しかとれず。


その翌日は現地での出場準備と開会式参加と相成りまして、出場選手はその意気込みを一つにした訳です。そして2日間にわたる競技開始日当日、開始時間10分前はそれはそれは宙に浮くような感覚。異常な緊張とやってきたコトの脳内反復と、もうめちゃくちゃです!そしてとうとう開始。開始後10分は手も震え会場内は他職種の作業音と熱気と一般見学者のざわめきと、もうないまぜで。しかしその後は落ち着きを取り戻しどんどん没頭していくワタシを理解していくうちにそれらの雑音は消えていきました。

2日10時間の中で小さなトラブルも勿論発生しましたがそれは想定内の出来事、あっという間に制限時間を迎えて競技終了。自分なりには良い完成を迎えた訳でした。翌日の発表と表彰式を前に一足早くお疲れ様会にて食事会と数多くの名刺交換。その中にはお知り合いになりたかった方々も多数、競技の終わった安堵感の中で非常に有意義な時間を過ごすことが出来たのです。

最終日午後から新聞の号外のようにその発表がされました。えーっと、えーっと、無い・・・。しかし、不思議と晴れ晴れとした気持ちがワタシを包み込み全力を尽くしたことで後悔などは皆無だったのです。他人と戦うという意味で得意だった短距離走やそれこそ受験などトップに立てたものもそうでなかったものも「蚊帳の外」はあまり経験が無いワタシ、落ち込むかと思いきやそうでもない・・・これも何か不思議な感覚。勿論悔しく無い訳では無いけれど、戦い終えた、そればかりでした。

日本一を競うのです、いくら日頃を真面目に過ごしていてもそう安々と登りつめられるものでは無いコトあらためて痛感なのでした。しかし、出場に手を携えてくれた多くの皆さん、また一緒に戦った皆さんがあってワタシの参加が成立したこと、感謝に堪えません。結果には結びつきませんでしたが、競技を通じて普段の思考とは違うアプローチの発見や同志の存在は今後のワタシを少しでも前に進めるコトの出来た、いや進めてくれた、そんな貴重な経験になりました。ホントにアリガトウゴザイマシタ!!!現状は何も考えていませんが技能グランプリには魔物が住んでいるそうでトップを目指して数回の出場をさせる、らしい、怖っ。


そうそう、4泊した超高層ホテルの窓からは日本一の富士山とスカイツリーが毎日拝めることができました、のに、ねぇ・・・。ということで3月、まだまだしなくてはならないコトが山積中、ひとつずつこなして、近くココでも発表するが為精進して参りますと共に、次作品にようよう取り掛かりますね。それに付随した今回の旅の後編がありますし。
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