2012.08.31 Friday
Seahorse 9 機構編2
誰が何と言おうと8月は本日にて終了、明日から9月です。今年も残すは33.3%、早すぎる・・・。で、残暑と言うよりそのまま引き続き酷暑ですが、1980年頃(ワタシが子供の頃)と比べると一体どれくらい暑いのか?ググってみますれば、大阪の1980年8月の最高気温は34度、だいたい31〜32度。最低気温はほぼ25度を超えていません。一方2012年の8月はと言うと、最高気温36度7分、34〜35度が平均気温、最低気温は25度以上がほとんどで27度8分なんて日も。平熱36度の人が3度体温が上がるともう体中の節々が痛くてどうしようもないコトを思うと、この数字は明らかに気温上昇が現代を生きる人にはツラいもので・・・にしてもカレンダーは1枚めくらなければ。
「タツノオトシゴ」ですが、動力系がほぼ完成。香箱真の裏側も軸押さえを付けましたら、全ての歯車が安定して回りましたぁ!脱進機とアンクルの調整もなんとかクリア。動力系で残すは調速部の最後と他ギミックの駆動部。ちなみに青のマーカーはほぼボディのアウトライン、当初予定よりわずかに膨らみましたがなんら問題はありませんよ。
問題と言えば調速部の構造。ココを乗り切れば何とかなりまする!ガンバリまっす!で、本業が立て込んで参りましたのでココでヒトヤスミ。頂きましたオーダーも上がり次第アップしますね。その後はとりあえず原型シリーズに移る予定。うーん、時間が足りましぇーん(泣)。つづく・・・。
2012.08.24 Friday
Seahorse 8 機構編
プルプルプル・・・もしもし?・・・ガチャン・・・プープープー。間違い電話です。ワタシも最近、健忘症がひどくてモノの名前は出てこなくて「あ〜、あれやん、あれっ、なんやった?!」とか、何かの用事に机を離れて三歩目で「うん?なんやったっけ?」みたいな。人間ですからミステイクはツキモノです、が、間違えたのならすぐに非を認めて「スミマセン」とか「失礼しました」・「ごめんなさい」というのが互いに気持ちの良い解決、ましてやオトナなら言うまでもない。いや、何か今の諸問題について言っているのではありませんが・・・。
さて、朝晩はほーんのり涼しい?なんて書きましたが、いやいや、やっぱり、暑い・・・。と8月も来週で終わり、時間は容赦なく過ぎ去っていくのであります。でも、なかなか進まない「タツノオトシゴ」、大きなギミック部分がそろそろ終盤にかかりはじめました。左側が今までの機構部、いわゆる「失敗」のモノ、右側が新たにツクリ直しているオニュー。大胆に改良してますが、エスケープメントの部分が大幅変更+減速機構新設。あとは当初の予定と変わらずですが、失敗作がここまで進んでいなかったのでお初の部分です。
リニューアルに伴い構造強化の為、各押さえのパーツの幅広化と歯車の軸を丸線からビスに変更しました。これで各々のガタツキが非常に抑えられてスムースに可動しております。こうなってくるとやはり「0.8mm」のネジ切りが欲しいわけですが。
裏側、ってどちらが表でもないんですが反対側。上から「エスケープメントギア」「コハゼ」「コハゼバネ」「角穴車」「尻尾巻上のクランクテーブル」。いやぁ、まだまだ細工がたくさん残っておりまするなぁ・・・。しかも完全可動させるまでの調整もありますから、なかなか手ごわい、すんなりとはいきませんコト、おりこみ済みですが。
とりあえず、当面の予定としては来月中には機構部の完成を見て、10月中にケースとなるタツノオトシゴボディを完成させて全終了、しないと「Bodaiju Expo」に間に合わないのであります・・・厳しいですな(笑)。
2012.08.20 Monday
SV原型 vol.7 ミゼット
外がいきなり暗くなったなと思って窓から見上げれば空は真っ黒。にわかに大粒の雨が強く吹き出した横風に左右に降りだして、ピカッと光るや否や轟く雷音。毎日のように夕刻にはこんな大阪、です。日中もまだまだ35度超えの酷暑日続きですが、暑さ寒さも・・・と言うにはチョイ早計ながら、晩はほ〜んの少し涼しいかな。2・3日前から日が沈むと秋の虫の音が聞こえます。夏も盛りは過ぎ秋の顔がちょっぴり見え隠れ。
さて、8月も下旬、えっ!下旬?!夏休みの宿題は進んでますか?あと10日しかありませんよぉ、ってワタシも11月末の「Bodaiju Expo」がどんどん迫って残すは3か月にいささか焦ってきましたよ、ぜんぜん進まないんだけどなぁ・・・。と、SV原型シリーズ第7弾、「ミゼット」です。予告通りの「動物以外」の第1弾です。いやはや、時間かかり過ぎ・・・4日?5日?寸法のあるモノはラインまで攻める仕事が多いのでそれなりに時間が掛かりまするよ。
磨り出し中のミゼット。車のデザインとしてはすこぶるシンプルですから三次曲面など無いので簡単かと思いきや、やはり簡素なラインほどムズカシイモノは無いです。どの方向もシンメトリーなボディはラインがチョイずれれば台無し。おまけにピンホールなんか出て・・・うっ、潰せないからロー回すか?
と、いじくっているうちに「窓は穴開けよか?」「タイヤは動いた方がええんちゃう?」とか要らぬ仕事をどんどん増やすわけです。裏も少しだけディティール入れました。タイヤの軸から出てる丸線は鋳造で上がってきた現物でタイヤをかしめる為にそのままの処理です。
荷台の底だけはどうしても面でさらえないので後部のゲートを切り落として仕上げ後にあらためて貼り直しました。あとはドアハンドル・モール部とフロントバンパーは別パーツのロー付です。できるだけ火は入れない主義でツクってますが、別物後付の方が良い場合はこだわらない方が良いのでしょう。何だか変なトコロに気合入れちゃって本末転倒ぎみですが・・・。全長22mm・付目8.1g。次作は「イキモノ」の予定。の前に「タツノオトシゴ」を詰めとかないともう何だかギミックも忘れそうなイキオイ?!
2012.08.16 Thursday
お盆の彫金教室
まだお盆休みの方、今日あたりから仕事の方、それぞれにゆっくり過ごせましたでしょうか?毎度のことですがワタシは混雑が大嫌いですのでこんな時は「自宅待機」です。仕事以外の昼間は今までと同じようにエアコンは使わずに過ごしていますが、どうにも寝られない熱帯夜、今夏は2回だけ使いました、が。2回ともお腹壊しちゃって・・・完璧に寝冷えです。元々お腹は弱いのですが今回のそれはあんまりに辛かった。その上今まで自覚の無かった「夏バテ」になったようで、残念ながら体調不良ですぅ。
そんな中、お休みに合わせて彫金教室に2日、いらしてくださいました、ありがとうございました。1日体験は久しぶりでしたが手の器用な方々ですんなり「平打ち」のリングを完成させて終了となりました。回を重ねるごとに指導するワタシも何となくポイントを掴んできたようで火の当て方やヤスリの入れ方など、生徒さんにも伝わりやすくなっているようです。
何よりシルバーのインゴットから鏡面ピッカピカの真円のリングが完成した時の「うわぁー」や「おぉっ!」は生徒さんのみならずワタシもとてもウレシイ!体験と言っても一連の工程はきっちりジュエリーメイキングですので3時間から4時間ほど掛かります。それゆえこれだけの多くの工程が必要なコト、またその完成の喜びは比例するのですね。
午後から夕刻までの3〜4時間でシルバーのリングを完成・お持ち帰り頂けます。1日体験はおひとり¥7000・1日お二人様限定です。夏の思い出に、また涼しくなる秋にご自分でツクってみてはいかがでしょうか。お問い合わせ・お申し込みは
eaugeホームページ www.eauge.com info@eauge.com までどうぞ。
2012.08.11 Saturday
SV原型 vol.6 出目金
お盆休み突入です。帰省される方、家でのんびりされる方、いやいや仕事だすって方、ワタシ仕事ですね、夏休み早々と頂きましたし、このお休みに合わせて教室にご予約を頂きましたので働きまっす。暑いので室内で教室も節電対策?と、就寝時のエアコンを辛抱しているのに変わらずオリンピックで深夜遅々までテレビがこうこうとしておりますが・・・。
さて、予告通り原型シリーズ、6つ目です。今回は夏らしく「出目金」、英語では「popeyed goldfish」とか「telescope goldfish」とか言うそうで名は体を表すの典型ですね(笑)。で、いつもと同じく地金の塊から削り出してツクっているのですが、「地金の塊から?」と最近聞かれますので工程をざっとご紹介しようと思います。
まずは「地金取り」。シルバーの地金は様々な大きさ・形で売られていますが、ワタシの場合、6mm角の棒状の925SVを使います。必要なサイズにローラーや線引板などを使って板モノや丸線・角線など自分でツクリます。原型シリーズではおおよそ20mmぐらいのモノをツクっていますので6mm角では足りません。そんな時は一旦ルツボで溶かしてしまいます。そして溶けて円盤状になった地金を上から下から右から左から金槌で叩いて叩いて必要な大きさの箱をツクリます。コレを「角取り」といいます。結構重労働でしかも叩くのにちょっとしたコツを必要とします。慣れないと地金の角が90度にならず平行四辺形になってしまうのです。
次に油性のペンで削り出したい対象をなんとなく下書きします。とりあえずは対象のフルサイズに対する各パーツの比率だけはココで押さえておけばとんでもないコトにはなりませんのであとのラインはどのみち削りながら、なので、何となく・・・(笑)。
いよいよ削り出していきますが、仏像などの木彫と同じく不要な部分を荒削りしていきます。ヤスリでガンバッテも良いのですが時間が掛かりますし、地金が粉になると再生も面倒なので糸鋸を入れていきます。荒削りの際は糸鋸にせよヤスリにせよ摩擦熱が物凄いので持っていられませんしサイズが小さいので固定も大変だし、地金から道具が滑れば、この前のように血が噴き出しますので、ココでは便利な「手万力」という道具を使います。御覧の通り至って解りやすい道具。モノを片方に挟んで片方にクサビを打って固定します。
この辺りまで糸鋸で落とせたらヤスリやリューターを使って中削りです。その際も掴めるならば手万力に挟んでおくと力も入りますし何より熱くないです。シルバーは特に熱伝導が良いのですぐ熱くなります。そんなもので熱くなっているのを忘れて手万力から外すと「アチっ!」となって手からこぼれていきます・・・むむむ。
目玉・背びれ・前ひれがだんだん出てきましたよ。この時点では尾ひれの形状は全く考えておりません、アシカラズ。
ふんわりした尾ひれにしたいのでどう削るか脳内で熟考しつつ失敗もしつつ・・・まぁイイ感じですか?この辺まで削り込めたら面を仕上げていきます。細目のヤスリやペーパー・シリコンポイントも使います。
仕上がった面にそれぞれテクスチャーを施します。ひれならふんわり感が増すように筋彫りしたり、眼は一段掘り下げてみたり。青のマーカーはウロコの配置を大まかにブロック状にしてひと升ずつウロコを彫り出していきます。ちなみにワタシはタガネが上手に使えませんので全てリューターで削り出してます。
と、ちょこまか作業して完成。こんな感じで作業の一連が流れていきます。お解りいただけましたでしょうか?工期2.5日・付目4g。次作品は動物ではないかも?!
2012.08.07 Tuesday
Seahorse 7 動力編 〜巻上部〜
フジカキ・ナデシコ・アーチェリー、サムライ・ウチムラ・ボクシング、ホケツ・フルーレ・レスリング、キムラ・イシカワ・キンメダル〜♪ 毎晩オリンピック漬けで少々生活リズムが狂ってきておりますが「ニッポン」凄いですよねぇ。メジャーな競技もマイナーな競技も世界を相手にニッポンのレベルの高さを十二分に見せつけている、そんな感じのロンドン。経済的にも政治的にもその他諸々、国内はガタガタのギシギシが続いているからこそスポーツや音楽・芸術で盛り上げて皆の気持ちを上げていきたいですね。相も変わらず酷暑続きですが本日は「立秋」だそうで。暑さ寒さも彼岸まで、と早くも来週は盆でございます。8月も知らずのうちに過ぎていくんでしょう。
ワタシも「ツクリナオシ」に勤しんでおり、動力部はスッカリ見る影も無く思い切りよく総入替え。いやぁ、清々しいもんですよ、あんだけ時間かけて失敗すりゃリプロダクトは早い早い、歯車の数も増えましたが構造はシンプルに、ほぼパーツは揃いました。
で、コレらを配置していきますがココがまたムズカシイトコロ。各歯車は動力を伝えるだけのモノもあればギミックを作動させる為にさらに他パーツが乗っかってくるモノもありまして。狭い場所に押し込んでいくので各々が干渉しないように配置しないといけないんですが・・・毎度設計図なんてございませんからワタシの頭の中で出来るだけ想像して組んでいく、ソコに毎度毎度落とし穴がある訳ですよ。矛盾するのですが図面描いたところでアイデアも途中で変わるし精度も図面通りにはいかない、だからひとつずつその場その場で解決する方法が一番早かったりもする、のが実情。
ほんで、写真はゼンマイを巻き上げる為のパーツです。右の細い丸線に巻き上げる「リューズ」が付きまして、その回転を90度変換して間の歯車を介してゼンマイの納まる「香箱」の軸「香箱真」に固定された「角穴車」を回して巻き上げる機構。ココまで時計のソレと同じ。で、ココでまたまた問題は歯車の回る方向。時計回りなのか反時計回りなのか。今回は動力が強力なゼンマイゆえ、その力で各部が磨滅したり引っかからないよう歯車押さえを変えてあります。歯車と軸は固定されてなくフリーになっていたり、そもそも軸が無くてネジで直接固定したりと強化対策しています。何が困るか?ネジを切る為の道具が一般的なモノしかないコト=反時計回りの歯車の場合ネジが外れるってコト。逆ネジを切る道具もあるのですが持ち合わせていないんです(買いなさいって話・・・)。
な、もので、色々工夫が必要ってなコトになるから知恵熱が出るんですけどね・・・(笑)。ちなみにネジは1mm径のタップ・バイスしか無いのもツラい、せめて0.8mmが欲しいっ、細くなれば強度的にもツラくはなるんですが。まっ、とりあえず上手いコトいってるトコロまでご報告。その他詳細も今後アップしていきまする。で、次回は原型シリーズです。「ニッポン」ガンバッテるからワタシもガンバロ!!!
2012.08.02 Thursday
刹那満開
そのタイミングを狙って2年ぶりの満開・・・滋賀県草津市立水生植物園「みずの森」へ早朝の高速を飛ばして行ってまいりました。昨年は見逃していた蓮の花、今年こそはと新天地へ。蓮は日の出とともに咲き始め昼前には閉じてしまうがゆえ、自宅出発だと範囲が限られてしまいます。が、そこは見たい気持ちが勝ります。今日は前置きはこの辺で・・・たくさん写真をアップしますのでご覧くださいませ。
straight 4
八重・蕾・一重
cup & saucer
flame
大鬼蓮
日傘を見上げて・・・タイタンビカス
spotlight 1
spotlight 2
2012.08.01 Wednesday
Seahorse 6 動力編 〜エスケープメント・全体〜
ドドドドドンッ、ドドンッ。今日は一日台風の横風が殴っているので雷かと思いきや花火大会のようです。8月のドアタマに花火大会ってあったかな?と、8月、葉月です。空は青々、緑は濃く、勢いの良い入道雲は真っ白で猛烈に暑いですが美しく力強いトリコロール、夏、真盛り。でも、やっぱりツラいかな、この暑さ・・・まっ、楽しまねば損っ、かしら。
予告通り、タツノオトシゴ、でございますが・・・はじめに申しておきまする・・・コレ・・・失敗・・・で・す・・・。時計職人さんは言わずもがな機械の設計者の方がコレを見たら何が原因か察しが付くってなもんですね。笑ってやってください・・・このズブの素人考えを。ワタシ、ココまで何週間もかけてツクってみてワカリマシタ。ゼンマイの納まる香箱からの動力が並列に伝わっているだけで減速できてないっ!ということ。コレだと一生懸命アンクルとガンギ車を調整しても早過ぎて、ゼンマイのほどけるのもあっという間だしアンクルの受ける力が強すぎて止めれば次に移行するにも力がいるし、滑ってしまえばアレレレレっ、って進んでしまって意味が無い。
図無しで説明するのはちょっとムズカシイのですが、車や自転車を思い浮かべてください。上り坂を変速機付の自転車で登る時、ギアを「軽く」しますよね、簡単に言うとアレです、スピードは出ないけど楽チン。小さな歯車で大きな歯車を回すことで速度は落ちるけどトルクは増す、コレを「減速」と言います、が、コレがこの場合足りない、ってか無い!この「減速」を幾つか組み合わせることによって大きく減速できるんです、それが必要だってことがあんまりにもマクロな視点で作業を続けていたせいで飛んでしまいました。
テンプに関してもこの場合は不必要、というより現在のワタシの力量とサイズからくる手作りでの精度の限界でその役割を果たせない。もっとシンプルに考え直さねばなりません、と言うが早いかもうツクリ直しております。何週間もいじくって結局コレかって感じですが、完成させるためには引き際も清くいかねば前に進みません。
グズグズ言っておりますがもはや言い訳。1か月ぶりのタツノオトシゴ記事を楽しみにしていた方々、スミマセン。しかし、失敗もご報告です。失敗は上達します、必ず。一体いくつ歯車をツクったかしれませんが確実に精度は上がってますし作業も早くなっています。ので、めげずに仕切り直しでございます(とか書きながらかなりヘコンデマス、実際のトコロ)。
しかし、仕事ホッタラカシで作品ばかりやってるとエライ目にあいそうですから、ちゃんとお仕事もしつつ引き続きガンバル所存でございます。
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